【追記あり】年金制度改革法案に関する重要なお知らせ

年金制度改革法案に関する重要なお知らせ
改革の背景と目的
厚生労働省は2025年通常国会に向けて、短時間労働者の厚生年金加入を拡大する制度改革法案を準備しています。本改革は、より多くの労働者への年金保障と働きやすい環境整備を目指すものです。
主要な改正ポイント
- 企業規模要件の段階的廃止
- 2027年10月:51人以上→21人以上
- 2029年10月:完全廃止
- 加入要件の緩和
- 「106万円の壁」撤廃
- 対象業種の制限撤廃(2029年10月)
- 約200万人の新規加入者見込み
支援措置の整備
- 年収151万円未満の労働者向け保険料支援
- 企業負担軽減策(3年間限定)
- 基礎年金の拡充検討
高齢者支援の強化
在職老齢年金制度改正(2026年4月)
- 減額基準額:月50万円→62万円に引き上げ
今後の展望
本改革により、短時間労働者の年金保障が強化され、働き方の選択肢が広がります。
一方、企業の保険料負担増加への対応が課題となります。制度の詳細設計や実施状況について、引き続き注視が必要です。
【追記 2025.01.30】
短時間労働者の厚生年金加入要件の変更について
厚生労働省は、短時間労働者が厚生年金に加入できる企業規模の要件を撤廃する時期を、当初予定していた2029年10月から2035年10月に延期する案を自民党に提示しました。この変更は、企業の負担を軽減するためのものです。
【段階的な拡大スケジュール】
- 2027年10月:従業員36人以上の企業が対象
- 2029年10月:従業員21人以上の企業が対象
- 2032年10月:従業員11人以上の企業が対象
- 2035年10月:企業規模の制限を完全撤廃
【個人事業所への適用】
- 2029年10月から、従業員5人以上の新規事業所は全業種で厚生年金の適用対象
- 既存の個人事業所については、当面の間、任意加入
【企業負担の増加への対応策】
- 従業員の保険料負担を抑えるため、企業側がより多く負担できる仕組みの導入を検討
- 「働き控え」(負担増を避けるために就労時間を減らす動き)を防ぐための対策を実施
【基礎年金の引き上げについて】
- 法案には規定するが、実施時期は2029年以降の経済状況を見て判断
厚生労働省は、この案について与党と協議を進め、今の国会で法案を提出する予定です。